宗一郎日記(10) by Naoko

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2003/03/05 Mali(1) -- About Mali
ただいま、マリの首都バマコに来ています。日本に居たころ、マリがどんな国なのか 全く想像がつかなくて、砂漠のど真ん中のド田舎国で役人は腐りまくり、というような 恐ろしいイメ-ジを抱いていたのですが、そんな貧弱な発想はことごとく覆されました。 マリはなかなか落ち着ける居心地の良い国です!

Mango in Bamako まず、地図で見ると分かりますが、マリというのは無茶苦茶広いです。 北半分はサハラ砂漠ですが、南半分はセネガルと同じようなサバンナで、大きな川が いくつも流れています。今いる首都バマコも、大きなニジェ-ル川のほとりにある町で、 町中に緑があふれ、今の季節は美味しいマンゴ-が毎日食べ放題だったりします! ああ幸せ。

しかもマリの人は親切でフレンドリー。いままでの国のように、外国人と見れば ぐわああっと取り囲んで「あれ買え何かくれ外人なんだから金払え」、というような 事はほとんどありません。右も左も分からないカイエの町で、コネを総動員して バマコ行きの鉄道を手配してくれた宿のおじさん、市場まで案内してくれた上に 素晴らしい川岸の風景を見せてくれた青年、夜に到着して途方に暮れていたバマコで 安いホテルまで案内してくれ、たちの悪い連中を追い払ってくれた上に、 イミグレ探しまで手伝ってくれたお兄さん。

たしかにバマコでは一部、タチの悪いハスラーがいるとも聞きますし、ドゴンの村 周辺などの観光地では観光客ズレしたぼったくり商売が横行しているという噂も よく聞きます。しかし今のところ私達はマリに入ってから親切な人にしか 出会っていないので、その居心地のよさにほっとしている所です。

イマイチな点がひとつあるとすれば、3月~5月にかけてが最も暑い季節なので、 毎日、午後2時~5時くらいまではシャレにならない暑さ!ただ、空気が 乾燥しているので(静電気パチパチいいます)、最高気温が40度を超えても 日陰にいれば割と涼しいのです。さらに、真夜中から朝にかけても快適な涼しさです。 湿気の多い日本の夏は、日向も日陰も夜も朝も関係なくムシ暑いですから、こちらの乾いた 暑さはちょっと想像しにくいかも。。。

2003/03/05 Mali(2) -- Border to Kayes
セネガルからマリに入国する時、Kidira/Diboriという国境を超えました。実はマリビザ は国境超えの時に取得。この方がダカールのマリ大使館で取得する(22000CFA)より 安くつくし(15000CFA)、有効日数も入国日からカウントされるのでオトクです。 (ただし国境ではレシートをくれるのみ、本ビザは首都バマコに着いてからイミグレに 赴いて正式なスタンプをもらうことになります。大した手間ではありません)

以前、セネガルのRosso国境でひどい目にあったので、マリの国境も腐りまくって いるのではないかとビビって、いざという時の「貢ぎ物」まで用意して国境越えに 臨んだのですが、セネガル側もマリ側も、ポリス・税関共に大変紳士的で感動でした。

Piste of Kidira-kayes しかし国境からマリの最初の町カイエ(Kayes)までは100キロの未補走路です。 ダートそのものは舗装の一歩手前くらいで私でも大丈夫だったのですが、やはり バイクが過積載のため、フレ-ム折れが心配で結局時速20kmほどのノロノロ運転。 (セネガル側の補走路のありがたさが身にしみて分かりました) しかもこのエリア、 内陸の中でもかなり暑い所らしく、午後から案の定気温が急上昇。まるでオーブンの 中を走っているようでした。ホント、焼けるような暑さで、バオバブの日陰がなかったら 今ごろどうなっていたか。。。。というほどヨレヨレに。(ちなみに地元の人々は 一番暑い2時~5時は日陰で休んでいます。)

2003/03/05 Mali(3) -- Kayes and the Local Train
Centre d'Accueil
カイエの町では駅の近くの「Centre d'Accueil Jeunesse」という宿でテントを 張らせてもらいました(キャンプ泊一人2000CFA)。Barもあり、マリ人紳士の 社交場になっています。地元の人々と一緒にTVでフランス映画を見たり、伝統音楽の コーラ(ハープの一種。うっとりするような音色)の生演奏を楽しんだり、なかなか フレンドリーで素敵な地元宿でした。

実はカイエから首都バマコまでの数百キロが結構激しい ピストしかなく、地元の人の主な交通手段は「鉄道」だったりします。(なぜこんな大事な 区間が未だに未舗装かというと、鉄道会社がこのルートが舗装化されないよう 圧力をかけているからだとか。。。)

通常のツワモノライダーなら、どんな悪路だろうと迷わずピストを通って バマコへいくのですが、私達のスピードでピストを行くと1週間くらいかかる上に ガス欠、フレーム折れの恐れあり。さらに日中の暑さで多分バマコに着く前に 死んでしまうと思われたので、地元の人々と一緒にバイクごと鉄道でバマコまで 移動することにしました。ちなみにバイクを列車に乗せてもらうのは、 みんなやっている事なのでそんなに難しくなかったです。


ところで私達が乗ることになったのは、有名なダカール発~カイエ経由~バマコ行き のExpressTrainではありません。カイエ~バマコ間は地元のLocalTrainが ほぼ毎日運行していて、こちらは完全に地元の足です。従って、乗客もみな 地元のマリ人ばかり。スーパーぼろくて汚い列車(窓は汚すぎて外が見えない)で、 朝7時半に出発して、午後11時にやっとバマコに着くというとんでもなくノロい乗り物 (しかも日中は死ぬほど暑い)ですが、「ピストを自走して死んじゃうよりはマシ」 と心の中で何度も唱えながら、なんとかまる一日、修行僧のように暑さに耐えた のでした。。。。

途中、電気も来ていないような小さな村に何度も停車するのですが、これが面白い。 列車がくると、村人が食べ物や飲み物やうちわを売りに、ぐわああっとやってくる のです。乗客は窓から50Fとか100Fといった小銭を渡し、欲しいものを買います。 Ryuが途中の駅で買った巨大な肉入りサンドイッチは500F。美味しかった~。 窓からは、土で作られた素朴な藁葺き民家がたくさん見え、それがなんとも美しく サバンナの風景にマッチしています。Ryuには「自走した方がマシ」と不評だった 列車の旅ですが、私は個人的にはけっこう気に入った体験のひとつでした。

Train to Bamako

2003/03/05 Mali(4) -- Bamako (Camping 'Le Cactus')
「巨大な田舎町」と呼ばれるバマコなので、まさか市庁舎が泥づくり!?などと すごい想像をしていたのですが、実際には多くの建物は近代的な立派な造りで、町全体は 完璧に舗装され、美しい並木道があり、非常に洗練されているとは言えないものの、 なかなか頑張っている感じがします。何しろ、ダカールのような滅茶苦茶な渋滞は 全くないし、街の人がきちんと信号を守って走っている所など、 小さな感動をおぼえた位ですから。。。。

そんなバマコですから、泊まるところもいろいろあります。テントを持っている人に 人気なのは、町中の'Mission Libanaise'(キャンプ一人2500CFA)ですが、 ライダーにお勧めなのは、バマコの街から約10キロ離れた Camping 'Le Cactus' (キャンプ一人2000CFA)でしょう。このキャンプ場、XR400の岡野さんに教えて もらったのですが、カナダ人オーナーが15年近くやっている老舗の宿で、 自走旅行者の間では割と知られているようです。水道がないため、シャワーも 初のバケツシャワーだったりとなかなかワイルドですが、豊富な井戸水が 自由に使えるのがミソ。(地元民はこの井戸水をガボガボ飲んでいるので きっと飲める水なのでしょうが、念のためKatadyn浄水器でろ過して飲んでます)

この'Le Cactus'、街から10キロ以上離れている為、とても静かで のんびりした雰囲気です。また、近所にはほったて小屋の地元食堂があり、 「シチューごはん (Riz Sauce)」や「イモの煮ころがし(Pomme d'Terre)」 といった地元料理が、破格の安さ(2皿で250CFAとか)で食べられます。

※行き方は、バマコに2つある橋のうち、4車線ある巨大な方の橋を南に渡り、 川を渡りきったら最初の立体交差を右折(右に降りる)、そのまま補走路を ひたすら10キロちょっと西向きに走ると、右手に'Le Cactus'の小さな看板が 見えます。ただ、夜に発見するのはかなり難しいかも。。。

バマコの街にはスーパーもあり(ないと思っていたのでびっくり)、なんと リチウム電池(CR123とか)まで売っているのです。でも、スーパーではRyuが ビールを買うくらいのもので、実際には地元の市場で殆ど用は足ります。美味しい 野菜を毎日せっせと買ってきては、料理長のRyuが工夫をこらして様々な 夕食メニューを開発してくれるのでした。なかなか快適なバマコ滞在です!

Camping Le Cactus Nao with mango family

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