Cessna152 Emergency
非常事態1 --エンジン不調--
よりによって低空飛行の時にある日機長が、湖にそびえるタワーを中心に低空飛行でTurns around a pointをやろうとしたときの事である。
尾根を越えて上昇旋回しようとした途端、急にパワーが落ちて上昇できなくなった。 通常フルパワーだと2550RPMのところ、スロットル全開に入れても2100RPMしかいかない。
「おい、やべえじゃねえかこれ!」とファルコンヘッド機長の嬉しそーな顔。
やはり非常事態の方が好きらしい。
「まじかよ、全然のぼらねえ。わははははは」
急遽旋回を中止してパワーを足し、そのまま半島づたいに低空飛行を続けているのは わざとではない。RPMが足りなくて上昇できなかったのだ。
そのままの状態が続いた場合、
@湖に不時着(→水没コース)、A森の上に不時着(→骨折コース)、B平地または滑走路に不時着(→ご無事コース)
。。。といったステキ選択肢からもれなくひとつ大当たりが出るところであった。
不死身の機長ではあるが、どちらかというとBが好みに決まっているので、
迷わず近所の滑走路の方角に向け低空飛行を続けたのは言うまでもない。
しかし日頃の行いが良かったためか、やがてエンジンは2550RPMまで回復。その後は絶好調。よかったよかった。
(といいつつ内心では「いよいよ本物の不時着が見られる!」と
不謹慎な期待を抱いてしまいました。機長ごめんなさい。)
突然パワーが落ちた原因はなにか?
じつはアメリカ随一を誇る貧乏学校の給油車は、ガソリンタンクの水抜き機能が省略してあるのだ。 結露によって大量の水が蓄積されたタンクからダイレクトに給油するので、翼にたっぷり水分うるおい補給。
そのことは気付いていたので、水が抜けきるまで1時間以上もガソリンをドレンしたが追いつかない。 たまたま僅かに残っていた水分によって、エンジンが咳こんでしまったらしい。
え?意味がよく分からない?
そういう人は、憎い奴のバイクの燃料タンクにコップ一杯の水を投入して
どうなるか実験してみてください。
撮影日時:2006年12月9日
非常事態2 --ロストポジション--
空で迷子になった場合上空には案内板などないので、パイロットは常に自分の機位を把握していなければならない。
有視界飛行の場合、地文航法(pilotage)、推測航法(dead reckoning)、無線航法(radio navigation)といった技術を
組み合わせて目的地を目指すことになる。
どれかひとつの航法が優れているわけではないので、臨機応変に上手く組み合わせる事が大切だ。
またクロスカントリー飛行に出る前はFSSにフライトプランを提出し、 ナビログを作成して目標物(CP)や風向き、針路、到達予想時刻などを計算する。 しかし、風向きが変わったりすると計算どおりに行かない場合もあり、 慣れない訓練生がクロスカントリー飛行でロストするのは日常茶飯事なのだ。
2点間を真っ直ぐ飛ぶには、DGとVORを使用してコンパス針路の見当をつけるのが基本だそうだ。 それから窓の外を良く見て遠くに目標地点を定め、その一点に向かって飛ぶようにすれば風に流されず最短距離でいける。
それでもロストしてしまった場合は'4C'と呼ばれる手順(Climb、Communicate、Confess、 Comply)を踏むことが推奨されている。 だがこれは表向きの話であって、万が一極度にロストした場合はスペシャルな裏技があるのだ:
@トランスポンダを7654にセット
A周波数は121.5
B"Mayday Mayday Mayday, Help me Falconhead!"とコール
。。。という秘密の手順を踏むと、Born to be WildのBGMと共に どこからともなくファルコンヘッド機長が助けにきてくれるので、よく覚えておこう。
なお、機長の好物はイカ弁当らしいので、助けてもらったらちゃんとお礼をするように。
どこまで信じるかは自己責任とゆうことで。
撮影日時:2006年10月10日