Cessna152(172) Takeoff
ノーマル・テイクオフ
離陸速度は55ノット(時速99km)訓練生によるCessna172でのテイクオフ@K1F0空港、RWY17使用。
飛行機はだいたい浮くように出来ているので、ちゃんと手順を踏めば誰でもテイクオフできる。 トリムをTakeoff位置に合わせ、スロットルをフルパワー、 ラダーで滑走路のセンターラインに合わせながら加速。 対気速度が55ノットを指した頃に操縦桿をスッと引けば あとは勝手に離陸してくれるのだ。(Cessna152/172の場合)
上昇時の対気速度は67ノット。これで最短時間で最大の高度が稼げるとされる(Vy)。 こうしたスピードはピッチ角でコントロールする。(上昇時には外の景色が見えづらいが、 横窓と地平線の位置関係で調整できる)
ただ、離陸したあと風に流されてあさっての方向に行ってしまうとか、 ピッチがまずくて一定速度が維持できないとかだと、ヘタクソだという事が ばれてしまうので注意が必要だ。
ちなみにテイクオフ時の性能は、その時の気象に大きく左右される。
一般に、涼しくて十分な強さの向かい風があるときはグングン上昇してくれるが、
暑くて無風状態だったりすると全然のぼらない。
余談だが、真夏のK1F0は気温が40度を超える極悪な日々が続く。そんな時はエンジンも
ヘタレ気味で「どうかclimbしてください」と真剣にお祈りしながら飛ぶのがコツだ。
特に、整備不良が原因で機体からオイルが漏れまくっているような時はなおさらである。
この映像を撮影したのは秋なので、気温は20度前後。
これは一応イイ感じのテイクオフ。
撮影日時:2006年11月20日
短距離テイクオフ
短い滑走で効率よく離陸こちらはC152による短距離テイクオフ(Short Field Takeoff)の様子。同じくK1F0空港のRWY17を使用。
行く先の滑走路に十分な長さがあるとは限らない。そういう時は飛行機の性能をギリギリまで使って 最も短い距離で離陸するというワザを使う。
映像を見ればわかるが、やり方は「かめはめ波」と同じである。RWYの端に立ち、ブレーキをガッツリ踏んだまま フルパワーで「氣」を貯める。(機体がしばらく動かないままでいるのはこのためだ)
十分に氣がたまってきたら、あとは
か〜。。。め〜。。。は〜。。。め〜。。。。波ぁーっ!!!!
と叫びながらブレーキをリリース。すると蓄積されたエネルギーが解放されて すごい勢いで滑走するので、あとはいつも通り55ktsでテイクオフすれば良い。
ちなみに上のノーマル・テイクオフでは、1000マーカー(白い線)を遥かに超えた地点で離陸しているのに対し、 こちらの短距離テイクオフでは1000マーカーのだいぶ手前、PAPIの真横あたりで離陸しているので ヒマな人は比較してみよう。
撮影した時はすでに冬で、気温は10度以下であった。絶好調にclimbしている。
撮影日時:2006年12月4日
クロスウィンド・テイクオフ(機内)
横風の中のテイクオフファルコンヘッド機長によるクロスウィンド・テイクオフを機内から見たところ。 これは一応ノーマル方式なのでちょうど1000マーカーのあたりで離陸(rotate)している。
この時の風は150度方向から10〜16ノットだったのでRWY17使用。
つまり左斜め前から強めの横風が吹いているわけで、離陸した瞬間に飛行機が右に流されているのが分かる。
が、機長はすでに風に対して左向きのクラブ(修正角)をあてているので、結果的に機体は斜めを向きながらも 滑走路に沿ってキレイに上昇しているのだ。
ちなみに映像からも分かるように、上昇中のコックピット正面からは基本的に空しか見えないので、 自分がどのくらいの勢いで上昇してるかは視線を横窓にずらし、カウルと地平線の位置を目測する。 (慣れれば速度計を見なくても大体何ノットで上昇してるか分かるようになる。)
なお、空港のまわりには"traffic pattern (場周経路)"と呼ばれる飛行機の通り道があって、その形は滑走路に対して長方形と決まっている。 もちろん目には見えない空の通り道なので、ヨレヨレな形に飛ぶ事もできてしまうのだが、 航空機同士の安全のため、ヘンな形に飛んではいけない。いけないのだよ、ヒヨコ君!
。。。。なんでって、道路に酔払い運転のクルマがいたら危ないのと同じ理屈である。
ちなみにこれが出来ないヒヨコは、もれなく風に流され森の上をさまよったり、クラブをあてすぎて タキシーウェイや駐機場の自家用ジェットの真上を挑戦的な態度で飛んだりすることになる。 さらにダメ度が増すと、traffic pattern中で機位が分からなくなってロスるという信じられない技を繰り出すこともできる。
そんな所をファルコンヘッド機長に見られたら永遠に大笑いされるので是非とも避けたいところである。
良い子はこのお手本映像をしっかり見て、横風に負けず頑張ってほしい。
撮影日時:2006年12月9日