Boeing Extreme Pilots

Boeing 777 Crosswind Landing

究極の横風ランディング

いきなりポルトガル語で何か書いてあるが気にせずご覧あれ。

こちらボーイングのテストパイロットが極悪な横風の中で限界のランディングを 楽しんでいる映像とお察しします。
機首がこっちを向いてるのに、滑走路はあっちを向いているのがポイント。

もしこれが小型のセスナ機だったら。。。 しかも台風並の横風だったらなんか有り得るような気がするけど。。。
基本はどの飛行機もそんなに変らないという、ある意味すごいお手本。

セスナでのやり方は次のとおり:
RWYにアプローチするまではエルロンで横風に対する修正角をとって斜めに進入。 そしてRWYの上で返し操作を行ったらすかさずラダーで機首を真っ直ぐにする。
理屈は分かるけど、簡単かと言われると。。。??

しかもこの映像、なんだかタッチダウンしてから機首を直してるような気がするし。 さすがにジェット旅客機でここまでやるのは破格と思う。

気になるポルトガル語を適当に訳してみた:

Nao sao todos os dias... It's not every day...
que encontramos ventos calmos. that we have calm winds.
(毎日のように風が凪いでくれるわけじゃない)

O que fazer nestas situacoes? What to do in these situations?
(そんな時どうしたらいいだろう?)

Voe Fly
(飛ぼう)

Volte a epoca de aeroclube Just come back to the time of flight training.
(かつて訓練生だった日々に戻ろう)

Lembre-se de seus intrutores Remember what you have instructed
e faca um pouso seguro to make a safe landing
(そして思い出せばいい。安全な着陸について学んだことを。)

Estes pilotos certamente voaram aeronaves convencionais
These pilots who are certainly flying the airliners
(こうした旅客機を操縦するパイロット達は)

Aprenda com os melhores They've learned from the best school.
(もちろん最高の訓練校で学んだのだ)

※というわけで、これはブラジルのフライトスクールの宣伝用に編集された動画らしい。
ちなみに好評なBGMはEnigma(エニグマ)の"Return to Innocence"。


Boeing 707 Barrel Roll

ジェット旅客機のバレルロール

解像度が悪くて見えづらいが、よく観察すると、 巨大なジェット旅客機が一回転の宙返りをしている。これは 1955年、初めてのジェット旅客機となるボーイング707の プロモーション飛行だった。

ナレーションの大まかな意訳:

ボーイング707のテスト飛行プログラムは何年にも渡って続けられた。 (いよいよ販売開始という段階で)テストパイロットTex Johnsonは、 独自のデモンストレーション飛行による航空会社への売り込み作戦を 試みたのだった。

「あれは国際航空運輸協会の年次コンベンションで、シアトルに世界中の 航空会社が集まった時のことです。
このときボーイング社はまだ試作機しか持っていなかったのですが、 世界を縮める可能性を秘めた機体を世に送り出そうとしていました。

軍用機と民間機のノウハウを活かしたこの旅客機がどれほど素晴らしい性能を 持っているかを、人々にアピールするにはどうしたらよいか?
私はこの試作機を使って、人々の目の前で一片の危険もなく 実施できる技がひとつだけあることを知っていました。 機体をロールさせてみんなを驚かせてやろうと思ったのです。

そこで私はシャンデル(上昇旋回)を行いました。
(注:これは謙遜。見れば分かるとおり機体は完全に一回転している。)

その時同乗していたエンジニアがカメラを持っていて、その時に撮ったのが、 いまは有名となったこの写真です。飛行機が逆さになってエンジンが翼の上に見え、 ワシントン州を眼下に見おろしています。

月曜日にAllen(当時のボーイング社の社長)にのオフィスに呼び出され、 何であんな事をしたのかと聞かれたので、『飛行機のセールスをしてただけです』 と答えました。あれは1Gしかかかっていないとても安全なマニューバーで、 しかも人々を驚かすにはぴったりではありませんか、と説明したら、社長はひとこと

『君は正しいし言いたい事は我々にもよく分かる。 ただもうこんな事は2度とやってくれるなよ。』

。。。と仰ってました。(笑)」

ベテランパイロットであるAlvin M. "Tex" Johnson氏の、終始控え目な態度が印象的である。

写真入りの詳しい記事はこちら