おはな日記(12) by Ryu
<< 前へ | 次へ >> Written;2003/03/05 Ryu---Mali---
《アキ兄ちゃんに捧げる》 一人暮らしだったボクの母方のおじさん。15歳しか年が離れていなかったから、ボクはそのおじさんのことを慕って《アキ兄ちゃん》と呼んでいた。そのアキ兄ちゃんが死んだという。信じられない思いで、そのメ-ルを読み返すが、間違いなくそこにはそう書いてある。 キャンプ場に戻って、Barでビ-ルを2本買った。1本は自分で、もう1本はアキ兄ちゃんの分。蝋燭の灯かりをともして、その灯かりの中にたくさんの思い出を浮かべてみた。 大阪で働いていたときに、近くで見つけた自転車をわざわざ買って、担いで電車に乗ってボクに届けにきてくれたこと。夏休みに田舎に帰ったときは、川でいっしょに日がな一日魚を追い掛け回して捕まえたことや、夜に懐中電灯をもって出かけてカブトムシを捕まえに行ったこと。冬の休みは、山に行ってメジロを捕まえに行ったりもした。その年貰えるお年玉の金額は、こたつの上でする腕相撲の勝ち負けで決まったりした。そんな、思い出が次から次へと、浮かんでは消え、消えては浮かぶ。 遠い遠いMaliからでは、こうして思い出すことが精一杯で、他には何もできないなぁと、ビ-ルをぐっと飲み干すと、なんとなく悔しくて、くしゃくしゃに泣いた。そして、涙がとまるまで、くしゃくしゃに泣き続けた。 死亡推定 2003年2月13日、享年52歳。〈寂しすぎる一生やったなぁ〉冥福を心の底から、ずっと奥底から祈る。
|
<< 前へ | 次へ >>
Diary Top
Back to Top