宗一郎日記(20) by Naoko

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2003/09 Zambia -- Victoria Falls (Livingstone)
ビクトリア大瀑布。とんでもないスケールの滝でビックリ ボツワナからザンビアに入って思ったことは、「おおアフリカらしくなってきた~」。 ほったて小屋のようなイミグレと税関、補走路なのになぜか土ぼこりが 舞う道路、ちょっとさびれた町の雰囲気、どれをとっても南アやボツワナの ヨーロパナイズされた感じとは違います。なんとなくなつかしいアフリカに 戻ってきたような気分です。

さて、国境を超えてすぐにリビングストン(Livingstone)という町に着きました。 ここは世にも有名な「ビクトリア大瀑布(滝)」のある町です(堂々と世界遺産!!)。 実は、ビクトリア滝の中央にザンビアとジンバブエの国境があり、 旅行者はジンバブエ側からでも、ザンビア側からでも、この巨大な滝を見学 することができます。しかし、滝があまりにも巨大なので、ジンバブエ側から 見るのとザンビア側から見るのとでは全く風景が違うとか。

私たちは残念ながら、ザンビア側からしか見ることが出来ませんでしたが、 本当に驚きのでかさ!!でかいだけでなく、対岸の遊歩道にはちょうど美しい 花が咲き乱れ、滝のしぶきで潤った大地は一面の緑でした。すごい、すごい。

ザンビア川からビクトリア滝を眺める たぶん毎日見ても飽きない景色だと思うのですが、外国人の入場料は非常に高く、 なんと一人10ドルもします。(ジンバブエ側はもっと高いとか?)ザンビア人は 1ドル以下で入場できるのに。。。。アフリカのあちこちでお目にかかった 「ツーリスト・プライス」、これも経済の不平等のおとし子なのでしょう。

さてヨーロッパ人旅行者はビクトリア滝周辺で遊ぶのが大好きらしく、 軽飛行機で滝の上を飛び回ったり、滝の下流にあたる急流でラフティングを 楽しんだり、極めつけは滝の真正面にある大橋から一歩間違えば即死(!?)の バンジージャンプをしたりしています。地元のザンビア人の目下の楽しみは、 こうしたクレイジーな外国人を橋の上から見学することだそうです!?

2003/09 Zambia -- Paul & Koichi (Lusaka)
ポール・コールマンと中渓さん 首都ルサカに到着したのは9月中旬でした。特に長居するつもりはなかった のですが、ルサカでも人気の安宿「チャチャチャ・バックパッカーズ」でキャンプ していたところ、不思議な2人組に出会ったのでした。。。。

一人は日本人青年の中渓宏一(なかたに・こういち)さん。「どちらへ旅されてるん ですかー?」といつもの調子で会話を始めたら、彼いわく、

「いやー、僕は2008年まで、友達のポール・コールマン氏と一緒に 中国まで歩こうと思ってるんですよ」

一瞬、目が点になった私達。。。。

それが、ポール・コールマン氏との初めての出会いでした。 40代のポールは、もう15年も「地球を歩き、木を植え、平和を説く」という 活動を命懸けで続けてきた人物で、ニックネームは EARTH WALKER。 「国連の平和大使」という立派な肩書きがありながら、乏しい資金で ボロボロの服を来て、村に泊まったり野宿をしたりしながら、ここまで やってきたのです。まさかアフリカで、ここまで志の高い人に会えるとは 思ってもいなかったので、私達は思わず滞在を1日、また1日と延ばし、 毎日ポールの語る「旅と自然と平和」の話に朝から晩まで聞き入って しまったのでした。。。

残念ながら詳しい話は、とてもここには書ききれません。しかし、 ポール・コールマン氏の活動をぜひ日本の友達にも紹介したいという 思いから、4人全員で意気投合し、まる1日ルサカのネットカフェに入り浸って EARTH WALKER ホームページをつくりました。もし氏の活動に 興味を持たれた方は、ぜひご覧になっていって下さい。(笑)

ルサカでの、忘れられない出来事です。

2003/09 Zambia -- Kasisi Children's Home (Lusaka)
ルサカのカシシ孤児院。とても立派な施設だった。 アフリカで尤も充実した孤児院といえば、おそらくルサカのカシシ孤児院でしょう。 私たちも実際に行くまではその存在すら知らなかったのですが、日本大使館の人に 情報を聞いて行ってきました。実際に行ってみると、かなり町はずれで、村も 何もないようなダートを10kmくらい行った先の、赤茶けた村のなかにある 孤児院でした。さぞかし小さな孤児院だろうと思ったらとんでもない! 一歩門をくぐると、色とりどりの花がさいた広場に、まるで別世界のような 清潔で立派な建物が建っているではありませんか。

カシシ孤児院はポーランド系の孤児院で、歴史も長いようです。現在は ポーランドから来た双子のシスターが運営しています。たいへん大きな孤児院で、 ここでは何百人もの孤児たちが生活しているのです。生まれたばかりの赤ちゃん から、中学生くらいの元ストリートチルドレンまで、来ている事情は様々です。 子供たちは、可愛くデコレーションされた部屋に、清潔なベッドとおもちゃが あてがわれ、3度の食事も過不足なくきちんと与えられています。なんと医療設備 まであり、ちょっとした病気なら対応可能。これはすごい。 しかし全体の20%くらいはエイズ孤児で、子ども自身もエイズに冒されており、 通常10才以上まで生き延びることはないとの事でした。。。。これが現代アフリカの 深刻な現実です。

カシシ孤児院の子供達とシスター。 しかし子供たちはそんな事は全くおかまいなしで、元気元気!明るい!可愛い! 彼らはここで共に過ごし、学校に通います。中には大変優秀な子も大勢いるわけで、 そんな子らに運良く、先進国からの援助があると、めきめきと本領発揮し、イギリスの 有名な大学を卒業したりするわけです。子どもを引き取って育てたいという人も 時々訪れるようですが、「あまり多くはありませんね」と、シスター。
大勢の子供たちをかわりばんこにだっこしながら、「日本に連れて帰りたいなあ」 とため息をつくRyuでした。

ちなみにこのカシシ孤児院では海外青年協力隊の河野さんという隊員さんが 派遣されていて、子供たちの姿を毎日写真に収めています。その写真を見せて もらったのですが、子供たちの創造力に圧倒されてしまいました。どこの国でも 子供たちは同じように無邪気だし、大人が思っているより賢い!

そんなカシシ孤児院のウェブサイト があります。なんと5ヶ国語で作られており、日本語のページもあり! ご興味のある方はぜひご覧になってください。そこから、日本とアフリカの間に 何か素敵な事が生まれるかもしれません。。。。

(Text Written: 2003/12/11 @ Tanzania, Dar Es Salaam)

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